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建築基準法65条と民法234条1項 建築基準法65条と民法234条1項との関係に関する最高裁の判断

XとYは、大阪市内のある駅近くの商業地域内に相互に隣接する形で土地を所有していた。
昭和51年4月頃、Yは、Xの了解を求めることなく、Xの土地との境界線から距離が50センチに満たない部分にまたがって耐火構造の外壁を持つ鉄骨造3階建ての建物の建築をはじめた。
当該地域は、準防火地域に指定されており、Yの建物の外壁は、建築基準法65条の要件を満たす耐火構造であった。
なお、当該地域には、境界線から50センチの距離を置かないで建築物を建築できるとする慣習は存在していなかった。
Xは、Yに対し、民法234条1項により、建物を建築するには、境界線より50センチ以上の距離を置くことが必要であるとして、境界線から50センチ内の建物部分の収去を求める訴えを提起した。
第一審大阪地裁昭和57年8月30日、第2審大阪高裁昭和58年9月6日は、いずれもXの請求を認め勝訴させた。
その理由は、建築基準法65条の要件に該当する建物についても、直ちに民法234条1項の適用が排除されるのもではなく、合理的理由が存在する場合に限って建築基準法65条が優先されるにすぎないとする考え方に基づき、本件の場合に、合理的理由がないとの判断からであった。
そこで、Yは、その判断を不服として上告した。

(最高裁第三小法廷平成元年9月19日判決)原判決棄却、Xの請求棄却(Yの勝訴)